The Wayback Machine - https://web.archive.org/web/20021206231256/http://www.jvc-victor.co.jp:80/products/others/DEUS.html

2002年10月15日 報道発表

高音質デジタルアンプ「DEUS」を開発

~「ハイブリッド・フィードバック」技術により高音質オーディオ特性を実現~




 日本ビクター(株)は、デジタルパワーアンプの「小型」「軽量」「高効率」という特長を活かしながら、アンプ内で生成されたデジタル信号と出力アナログ信号をそれぞれフィードバックし、高音質オーディオ特性を実現させる「ハイブリッド・フィードバック」技術により、高音質デジタルアンプ「DEUS」を開発しました。
 この技術の特長は、デジタル信号処理技術のみでは解決できない高音質デジタルパワーアンプ固有の問題点を、アナログ信号処理技術を加えることによって解決させた技術で、新開発のコア技術に加え、長年にわたり培ってきたハイエンド・オーディオアンプ設計技術を応用しています。
 この新開発デジタルアンプの名称を、当社の普遍的な高音質サウンドに対する姿勢を表現した言葉の頭文字を取り「DEUS(Digital Emotional Universal Sound)」と命名しました。
 今後当社は、デジタルアンプの長所と高音質を両立させた高音質デジタルアンプ「DEUS」を、各種AVシステム商品に順次搭載していく予定です。


<主な特長>
1.「ハイブリッド・フィードバック」技術による高音質デジタルアンプの実現
「ハイブリッド・フィードバック」技術により、高精度PWM変調信号生成には「デジタルのフィードバック」、スピーカー出力端子からは「アナログのフィードバック」という2種類のフィードバックを協調動作させることで、「小型」「軽量」「高効率」というデジタルのメリットと、スピーカーへのアナログ出力を高音質化するアナログのメリットを同時に得ることができ、デジタルアンプの高音質化を実現しました。
※Pulse Width Modulation変調:信号によってパルスの幅を変化させる変調方法。

2.「Floating Triangle PWM(FLT-PWM)変調回路」による高精度PWM変調信号の生成
スイッチングパワー段駆動デジタル信号には、オーディオ帯域ノイズの発生が原理的に少ないPWM変調信号を使用していますが、そのPWM変調信号生成回路には、新しく開発した「Floating Triangle PWM(FLT-PWM)変調回路」を搭載しています。この回路は、オーディオ信号の通過時に電圧が 変化する三角波の基準電圧を切る幅を、PWM変調のパルス幅として出力するもので、PWM出力からデジタルフィードバックをかけることにより、さらに高精度なPWM変調出力が得られるようになります。


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<開発背景>
 パワーアンプのデジタル化は、「小型」「軽量」「高効率」という大きなユーザーメリットをもたらします。これは、従来の物量投入型アナログパワーアンプに比べ、省資源、省エネルギーの観点からも好ましいことであり、地球・環境に優しい技術開発として、関連するデバイスの開発も本格化し、世界的な潮流となっています。しかし、デジタルアンプには、スイッチングパワー段やローパスフィルタなど、デジタル化による音質阻害要素となる部分も含まれており、デジタル技術だけでは解決できない領域の特性があることも分かってきました。
 当社は、これらのデジタル化によるデメリットをアナログ技術で補完し、オーディオ特性を改善することで、デジタルアンプの高音質化を実現する「ハイブリッド・フィードバック」技術を開発しました。

「技術資料」
高音質デジタルアンプ「DEUS」のコア技術

<技術開発>
 デジタルアンプと言えどもスピーカーへの出力はアナログであり、さまざまな信号処理過程を経た最終のアナログ出力の精度が音質を左右します。アナログアンプにおいて、この高精度な制御を実現する最も有効な手段として用いられてきたのが負帰還(ネガティブ・フィードバック)技術ですが、デジタルアンプにおいても、高音質を実現する最も有効な技術です。今回当社は、負帰還技術の応用によって高音質を実現する回路構成とコア技術の集大成として、高音質デジタルアンプ「DEUS」を開発しました。

1.高音質デジタルアンプ「DEUS」の基本回路構成
  PWM変調信号生成回路では、デジタルのフィードバックがおこなわれ高精度なPWM信号を生成します(マスタークロック周波数 : 400 kHz)。これにより、スイッチングパワー段で増幅され、ローパスフィルタ(LPF)で復調されて出力される信号は、ほぼ実用的な音質になりますが、さらにアナ ログのフィードバックをおこなうことにより、より高音質なオーディオ特性に仕上がります。フィードバックのループ特性は2ポール補償型で、LPFのカットオフ周波数はループの帯域内に設定して います。このように、「小型」「軽量」「高効率」は「デジタル」で、高音質オーディオ特性は「アナログ」で実現させる基本回路構成と、デジタルとアナログのフィードバック協調動作(ハイブリッド)によって高音質化を図る「ハイブリッド・フィードバック・デジタルアンプ」となっています。
<ハイブリッド・フィードバック・デジタルアンプ基本回路構成>

2.「Floating Triangle PWM(FLT-PWM)変調回路」の特長
PWM変調回路にはいろいろな方式がありますが、多チャンネルにしても相互干渉がなく、同期動作が可能でシンプルかつ高性能という特長を備え、デジタルアンプに最適な「Floating Triangle PWM(FLT-PWM)変調回路」を開発しました。400 kHzのマスタークロックを積分して得られた三角波は、オーディオ入力信号のエンベロープに乗ってその電圧が変化し、基準電圧(Vref)を切る時間幅が超高速CMOSコンパレータによってパルス幅に変換され、PWM出力が得られるのがPWM変調回路の基本的な動作原理になります。さらに、この出力 をデジタルフィードバックすることにより、高精度・低歪みのPWM出力が得られます。
<PWM信号生成原理図>


3.スイッチングパワー段の基本特性とアナログフィードバックの効果
(1)スイッチングパワー段の基本特性と問題点
 デジタルアンプでは、上下のパワー素子が交互に高速でON/OFFを繰り返して出力します。この結果得られる出力信号は、L1,C1によるLPF(ローパスフィルタ)を通すことによってオーディオ信号として復調され、スピーカへの出力となります。しかし、パワー素子は単なるスイッチとして動作するため、信号レベルは電源電圧とパルス幅で決まりますので、どちらが変動しても誤差となり歪みやノイズとなります。これは、従来のアナログアンプの出力特性との大きな相違点であり、特に、電源電圧変動や電源ノイズがそのまま出力されるという基本特性から電源電圧変動除去比(PSRR=0dB)を40〜60dB改善する必要があります。また、LPFでも信号が通過するインダクタを小型化するために磁性材料によるコアを入れると、許容範囲を越えるレベルの磁気歪みが発生します。さらに、ダンピングファクタについては、LPFのインピーダンス、パワー素子のON抵抗に加え電源の出力インピーダンスまでが関係してきます。これも注意を要する基本特性です。
<MOS FETによるパワー段> <パワー段の等価回路>

(2)フィードバック(NFB)によるオーディオ特性改善
 ノイズも電圧変動もゼロの「理想電源」やON抵抗ゼロの「理想パワー素子」を得るのは、現実的に無理があることから、実用になるオーディオ特性を得る手段として、フィードバックシステムを効果的に用いることになります。一般的に、LPFの後からフィードバックをおこなうことは、困難とされていますが、従来のハイエンド・高性能NFBアンプで応用されてきた2ポール補償型NFBのループ特性にすることで、極めて効果的で安定なNFB回路とすることができます。この結果、電源電圧変動除去比はもちろん、歪率やS/N比など基本的なオーディオ特性を40〜60dB改善することができ、ハイエンド・オーディオアンプとして十分に通用する高音質オーディオ特性に仕上げることができます。

4.今後の商品展開
当社は、この高音質デジタルアンプ「DEUS」を、今後発売するマイクロコンポ、ミニコンポやDVDシアターシステムをはじめ各種のAVシステム商品に順次搭載していく予定です。

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※:このページの内容は、報道発表日時点の情報です。その後、内容に変更が生じる可能性があります。
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