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[news release]

優れた操作性と低価格で、デジタル多重録音が手軽に楽しめる
■世界初のMD(ミニディスク)を利用した
4トラックの多重録音機

ヤマハ マルチトラックMDレコーダー
『MD4』


1995年3月
ヤマハ株式会社
本社:静岡県浜松市中沢町10−1
社長:上島 清介

     
 当社は、MD(ミニディスク)で手軽にデジタル多重録音が楽しめる、ヤマハ マルチトラックMDレコーダー『MD4』を6月15日(土)から全国で発売いたします。

<製品の概要>

 カセットテープレコーダーなど普通の録音機は、2つの録音トラックを持ちステレオ信号を同時に録音して再生します。これに対し、マルチトラック・レコーダー(MTR)とは、複数の録音トラック(=マルチトラック)を持つ録音機で、トラックごとに別々の録音や再生ができる録音機です。つまりひとつのトラックにある音を録音した後に、そのトラックの音を聴きながら、別のトラックに音を重ねて録音する(多重録音)ことが出来ます。例えばはじめにピアノを録音し、次にそのピアノの音を聴きながらギターを録音し、さらにピアノとギターの音を聴きながら歌を録音するなど、順番に録音を繰り返していけば、一人でバンド演奏やオーケストラ演奏などの録音が可能となります。最近ではCD制作も一度にバンド演奏を録音するのではなく、楽器ごとに順次録音していく多重録音によって制作されており、MTRはプロからアマチュアまで、音楽制作には欠かせない機器となっています。
 パーソナルユースのMTRは、記録媒体にカセットテープを使用した4トラックの製品が約15年前に登場し、当社でも、1983年から商品化し、プロ向けの音楽制作機器開発で培った優れた機能と信頼性で高い評価を得ています。
 近年、市場では楽器や再生ソフトのデジタル化がすすみ、MTRなどの録音・編集機器もデジタル対応へのニーズが強まっています。こうした背景から当社は、より手軽に高音質なデジタル多重録音を実現する記録媒体としてMD(後述)に着目し、新しいMTRの開発を進めてきました。
 今回の『MD4』は、その第1弾として世界に先駆けて発売する4トラックのMDレコーダーです。記録媒体にMD DATAディスク(後述)を採用し、4トラックの高品位なデジタル録音ができます。録音・再生時間は、4トラックで37分、2トラックで74分、モノラルで148分で、音楽用MDの再生も可能です。MDはデジタル録音ですから、録音回数を増やしても、カセットのようにノイズが増加して音質が劣化することはありません。さらにMDの特長を生かして、スピーディーな選曲、任意ポイントの頭出しや曲名表示もできるなど、カセット型MTRを上回る優れた操作性も大きな特長です。またマイクや楽器を接続して音量や音色を調整する高性能の入力部(ミキサー)も一体化しており、『MD4』単体で音楽制作を行うことができる上に、コンピューターミュージック・システムとも連携可能です。

 『MD4』は、シャープなイメージで新感覚の本体デザインを採用しながら、従来のカセットMTRの操作スタイルを踏襲しており、10万円を下回る価格で、誰にでも手軽にデジタル多重録音が楽しめる録音機です。コンテストの応募用のデモテープの制作、バンド演奏の録音やホームビデオのBGMやナレーションの制作などに活用できます。

 主な特長は以下の通りです。

<主な特長>

1.MD DATAディスクによる高音質デジタル・4トラック録音を実現

・手軽でリムーバブル(自由に取り外して持ち歩ける)な媒体であるMD DATAディスクを採用。高音質の4トラックのデジタル多重録音が、誰にでも簡単に行えます。

・4トラックで37分、2トラックで74分、モノラルで148分の高品位なデジタル録音が可能です。また、市販の音楽用MDやMDレコーダーで録音したMDの再生もできます。

・トラック単位の録音をはじめ、4トラックの同時録音/再生が可能です。多重録音からバンド演奏の4トラック同時録音まで、幅広く対応します。

・デジタル信号の特性を生かして、音質劣化のない多重録音やピンポン録音(注1)ができます。また、従来6トラック以上のMTRでなければ不可能であったステレオのピンポン録音(4トラック→2トラック)も可能です。

2.スピーディーな作業を可能にする多彩な編集機能
・MDならではのデータを瞬時に呼び出す(ランダムアクセス)機能を用いて、多彩な編集機能を実現しています。約1/100秒の精度で任意の箇所を呼び出すことができ、カセットMTRに比較して、効率的な繰り返し録音が行えます。

 ・瞬時に曲の頭出しが可能な「ソング・サーチ」機能。
 ・2倍速/4倍速のスキップ・キュー再生が可能な「早送り」「巻戻し」。
 ・曲ごとに8ポイントまで設定/頭出しできる「マーク・サーチ」機能。
 ・任意のA⇔Bポイント間、1曲ごと、全曲、の指定ができる「リピート」機能。
 ・直前の録音開始/終了ポイントに瞬時に移動できる「ラスト・REC」機能。
 ・録音開始/終了ポイントが指定できる「オート・パンチI/O」(注2)機能。
 ・上記の各指定ポイントは、約1/100秒の精度で設定可能です。

3.本格的な機能と回路構成の入力(ミキサー)部
・レコーダーのトラックに対応する4つの入力チャンネルは、全てマイクからラインまで入力可能で、綿密な音色調整が行える3バンドイコライザーと外部のエフェクターに接続できるAUXセンドを装備しました。

・外部エフェクターからの信号を入力するステレオAUXリターン、コンピュータミュージック・システムなどの信号を入力できるステレオ・サブインも用意しました。

・どの入力の信号も4つの録音トラックを自在に選択できる4バスタイプの回路構成としました。

4.コンピュータミュージックとの連携も容易
・各曲ごとに表示時間をMIDIタイムコード(注3)に変換して送出できるので、MIDIタイムコード対応のコンピュータミュージック・システムとの同期が容易に実現し、シンセサイザーなどの電子楽器などの自動演奏と連動できます。

5.簡単かつ快適な操作環境を提供する機能とデザイン
・録音/再生レベルはもちろん、レコーダー部の各種設定や動作状況が一目でわかるFL管(蛍光表示管)集中ディスプレイを装備しました。また、曲名やディスク名の入力も自由にできます。

・最新のデジタル機器にふさわしいスリムなデザイン処理を行いながらも、従来のカセット型MTRの操作性を極力継承し、誰でも違和感なく操作できます。

<開発の背景>

 MTRには、現在主流の4トラック・カセットMTRに加え、8トラック・カセットMTR、さらには、ハードディスクを媒体としたデジタルMTRなどがあり、機能の高度化とデジタル化が進んでいます。市場規模は4トラック・カセットMTRを中心に年間5万台に達しています。
 多機能で高度な編集が可能なハードディスクによるデジタルMTRは、複雑な操作が要求されると同時に、記録データを保持するための外部機器が必要となり、ホビーユースが主流のカセットMTRと比べ、簡易性・手軽さといった点では大きな距離感があります。
 このため当社は、扱いやすさと音質の良さを兼ね備えた記録媒体としてMD(=MiniDisc)に着目し、新しいMTRの開発をすすめてきました。
 MDは、3.5インチのフロッピーディスクよりも一回り小さい外形をした光磁気ディスクで、コンパクトさとデジタル信号方式による音質の良さが特長です。MDには、音楽の録音/再生用の「MD」と、コンピュータ等のデータ記憶媒体として使用する「MD DATA」の2種類があり、今回はこのうち「MD DATA」を利用していますが、音楽用の「MD」の再生も可能です。
 テープ媒体を使用するカセットMTRに比べ、MDは記憶してあるどのデータも即座に呼び出せる(ランダムアクセス機能)利便性をもち、取り扱いの簡便さ、機能の豊富さはカセットテープ以上。しかも、CDと同等の優れた音質を有するMDは、まさにMTRのデータ記憶に最適なメディアです。

<価格と発売日>

※価格に消費税は含みません。
 ◎初年度販売予定数 : 20,000台

<注>
 (1)ピンポン録音
複数のトラックに録音した信号をまとめて(ミキシングして)別のトラックに再録音すること。この作業により新たな空トラックをつくり、別の信号を録音できる。レコーダーのトラック数を見かけ上増やすために多用される技法。

 (2)パンチI/O(イン/アウト)
トラックに録音した内容に部分的なミスがある場合、その箇所のみを録音しなおして修正する手法。
部分録音を開始するポイントをパンチイン・ポイント、終了するポイントをパンチアウト・ポイントと呼ぶ。

 (3)MIDIタイムコード
シンセサイザーなどの音源をもつ電子楽器を外部からコントロールするための国際標準規格であるMIDI(ミディ=Musical Instruments Digital Interface)で定義された時間記録情報。時間軸情報を扱うレコーダーやシーケンサーなどの機器の同期走行を行う時の基準となるもの。

<主な仕様>

形式 4チャンネル計8入力ミキサー付4トラック
/4チャンネル録音/再生MDレコーダー
同時録音トラック数 4トラック
レコーダー部
使用ディスクMD DATA(Rec/Play) MD AUDIO(Play)
録音フォーマットMD DATA System Audio Data Format
再生フォーマットMD DATA System Audio Data Format/MiniDisc System
サンプリング周波数44.1kHz
最大録音ソング数254
録音モードMD DATA Disc : 4ch/2ch/Mono
再生モード"MD DATA Disc : 4ch/2ch/Mono , MiniDisc : 2ch/Mono"
最大録音時間4ch : 37min. 2ch : 74min. Mono : 148min.
ピッチコントロール±6%
コントロール端子" PUNCH I/O(FC5対応) , MTC OUT"
ミキサー部
入力 "MIC/LINE×4(-10〜-50dB , PHONE JACK)"
"AUX RETURN L,R(-10dB , PHONE JACK)"
"STEREO SUB IN L,R(-10dB , RCA PIN JACK)"
出力 "STEREO OUT L,R(-10dB , RCA PIN JACK)"
"MONITOR OUT L,R(-10dB , RCA PIN JACK)"
"TRACK DIRECT OUT 1〜4(-10dB , RCA PIN JACK)"
"AUX SEND(-10dB , PHONE JACK)"
"PHONES(100mW+100mW , STEREO PHONE JACK)"
チャンネル・イコライザー "3BAND , ±12dB(LOW:80Hz , MID:1kHz , HIGH:12kHz)"
総合特性
周波数特性"+1,-3dB , 20Hz〜20kHz"
S/N85dB
全高調波歪率0.012%(1kHz)
チャンネル・セパレーション75dB(1kHz)
その他
寸法寸法376W×72.3H×364D mm
重量4.8kg
電源電圧・消費電力"AC100V , 50/60Hz ・ 24W"

ヤマハマルチトラックMDレコーダー『MD4』
価格=99,800円(消費税別)


この件に関するお問い合わせ先
      ヤマハ株式会社

一般の方のお問い合わせ先
      音響システム事業部 営業部 宮脇
      〒430-8650 静岡県浜松市中沢町10ー1
      TEL 053ー460ー2455

    報道関係のお問い合わせ先
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      〒108-8568 東京都港区高輪2−17−11 日本生命高輪ビル9階
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