The Wayback Machine - https://web.archive.org/web/20050305143845/http://www.jp.sonystyle.com:80/Product/Paudi/Mz-dh10pr/Interview/index.html
INTERVIEW
WALKMANの新しい世界を切り開く新「Hi-MDウォークマン」
新しい規格へのチャレンジ「Hi-MD PHOTO」の採用
Q:新しいHi-MDウォークマン『MZ-DH10P/R』ですが、新規格「Hi-MD PHOTO」に対応しているそうですね。これはどういった規格なのですか?

A 商品企画 平澤(以下、平澤):Hi-MD Audio登場の時の記事でも触れられましたが、2004年7月に誕生した「Hi-MD」は1992年のMDの誕生時点からあった、「音だけでなく映像やデータも記録できるようにしよう」という構想がようやく実現したものです。「Hi-MD」はこれまで音楽専用であったMDを汎用メディアに進化させたものですが、今回採用した「Hi-MD PHOTO」は、パソコンを経由しなくても「Hi-MD」ウォークマンだけで画像が記録できるものです。
具体的には、デジタルスチルカメラの記録方式としてデファクトスタンダードとなっているDCF/Exif規格に準拠し、デジタルスチルカメラやプリンタなどの機器間で画像の相互利用を実現した画像をHi-MD化されたMDメディアに記録することが可能です。さらに「Hi-MD PHOTO」は、サムネールキャッシュファイル(全ての画像のサムネールをまとめて記録するファイル)を保持するようになっていますので、今後の「Hi-MD」機器との表示互換性維持だけでなく、画像一覧での快適な検索はもちろんのこと、音楽聞きながらアルバムジャケットを楽しんだり、保存されたサムネールをスライドショーで楽しみながら音楽を聴いたり、といった新しい音楽スタイルの提案が可能になったのです。

Q:ウォークマンで画像ですか。画像を撮影したり閲覧したりできるようになることで音楽シーンはどのように変わるのでしょうか?

A 平澤:まずは、「ウォークマン=音楽のみを楽しむ」という規定概念を壊したいですね。
もともとウォークマンは音楽を外に持ち出す文化を作りました。外で音楽を聴きながら何かをすることは普通にあると思うのですが、その時に「Hi-MD PHOTO」に対応した「Hi-MD」ウォークマンなら、音楽+画像で楽しめる。さらにその先には音楽(1)+画像(1)=3以上になる可能性があるわけです。
気に入った風景やアルバムのジャケット、歌詞カードなどを撮影しておいて外出先で楽しんだりすることができますし、「あっ」と思ったら、その場で撮影することも可能(※)です。新しいカテゴリー、「Digital Music Visual Player」を提案する第1号機なので、音楽+アルファの楽しみ方をいろいろ提供できると思っています。
※音楽を再生しながらの撮影はできません。
設計:田中 晃
ソニー株式会社 インフォメーションテクノロジー&コミュニケーションズネットワークカンパニー
パーソナルコミュニケーションズ事業部門4部4課
『MZ-DH10P』設計プロジェクトリーダー
商品企画:平澤 勉
ソニー株式会社
パーソナルオーディオビジュアルネットワークカンパニー
パーソナルオーディオ事業本部 マーケティング戦略部
『MZ-DH10P』商品企画を担当
MDウォークマンのサイズを死守すること。設計の命題が提示された。
Q:ウォークマンをベースに、Hi-MDの世界を広げる画像や映像の楽しみを追加する、ということですね。この考え方は製品の外観にも現れているようですが。

A 設計田中(以下S田中):あくまでもウォークマンのブランドで出すものですから既存のMDウォークマンの大きさを維持することには絶対のこだわりがありました。
『MZ-DH10P』がまだ商品アイディア段階だった2003年の年末に僕が見せられたのは、3メガピクセルのカメラが搭載されることを前提にしたものすごく大きなモックアップでした。
有効画素数が上がると、カメラモジュールのデバイスが大きくなるので必然的に本体が大きくなってしまうんですね。このモデルのコンセプトは画像が撮れる新しいカテゴリーのウォークマンであってデジタルスチルカメラではない、とすごく反対しましたね。そうしたら「お前が責任をもって小さくしろ」と設計プロジェクトリーダーに任命されてしまいまして(笑)。

Q:薄く、小さくするためにどんなことをしたのですか?

A S田中:通常MDウォークマンの電子回路は、すべてのチップを1枚の基板の両面に乗せているのですが、『MZ-DH10P』は最初から既存のMDウォークマンにカメラ機能のための部品を追加で搭載するので、最初から基板を2枚にすることを前提に設計が進んでいたんです。
初めは「両面にチップを載せた本体の基板」と「両面にチップを載せたカメラの基板」の二階建て構造で設計していました。ある程度進んだところで「厚すぎる。薄くしろ」と・・・(笑)。2枚の基板の両方を使っているので、必然的に厚くなってしまったんですね。
いろいろ検討しているうちに「カメラの基板」のチップを片面だけに実装すれば薄くなる発想が浮かびました。本体の弓なりに合わせるために等高線を引いた設計図を描いたりして、ひとつひとつ引越してはやり直して、の繰り返しでしたね。

A デザイン田中(以下、D田中):内部の設計とともに、本体のデザイン面も貢献していますよ。
デザイナー:田中 聡一
ソニー株式会社デザインセンターPCD Gp
『MZ-DH10P』本体デザインを担当
MDメディアと『DH10P』の基板の大きさ比較画像
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